Oasisお勧めCD(第23回)

音楽にこだわりのある、OasisならではのCD紹介コーナーです。

  
   音楽好きには、映画好きも多い。オアシスのカウンターでも、お客同士が映画談義で盛り上がっている姿を間々見かける。私もご多分にもれず、たいしたウンチクを語ることも出来ないのに、好きな映画話で異常な盛り上がりを見せることがある。個人的な傾向としては、ノン・フィクションやドキュメンタリー系のドラマに弱く、今年観た中でも、野球帽を被ったデブ監督のアカデミー作品や、あまり好きではないデカプリオの詐欺師話し、特に、オーストラリアのアボリ版・母を訪ねて3千里等は面白かった。

 この間も、会社に出かける前、何気にテレビの映画欄をチェックしていたら、懐かしの「サタデー・ナイト・フィーバー」を12chで発見してしまい、後になって録画で観たら、(これが久しぶりに観たせいか)…すごく楽しめた。

 そこで今回は、ビー・ジーズも私の琴線に触れるメロディ・ラインをもったグループではあるが、やはり「サタデー〜」と言えばジョン・トラボルタ、トラボルタと言えばオリビア・ニュートン・ジョン、オリビアと言えばザナドゥという訳で、強引ではあるがELOとのコラボレーション作品「ザナドゥ」(80年)を紹介していきたい。

 この「ザナドゥ」というアルバムはオリビア・ニュートン・ジョン主演映画のサントラ盤で、片面がエレクトリック・ライト・オーケストラことE.L.O.(ELO)の作品で、もう片面はジョン・ファーラーがプロデュースしたオリビア面という形で発表され、旬な人たちの作品として大ヒットした。

まずは、ELO面。彼等の枕詞と言えば、世界最小にして最高のオーケストラと言われるが、この類稀なアイデアとポップ・センスを持つバンドを率いているのは、70年代最高のメロディー・メイカーと言われたジェフ・リン。この人、私は大好きです。グループ内では、ワンマン振りが目立ちますが、一歩外に出ると地味に裏方作業をソツなくこなしそうで……謎のスーパー覆面グループ「トラベリング・ウィルベリーズ」の時なんかもそうだったし、プロデュース稼業もすごく似合う職人肌の人。

 とにかく、ELOの中で、ジェフ・リンの作り出すメロディーは、これぞポップスの王道!と言った感じで◎。彼等のシングル曲で個人的に1番好きなのは、74年に発表された「エルドラド」からの「見果てぬ想い」、そしてイントロがとても印象的な大ヒット曲「テレフォン・ライン」は「オーロラの救世主」(76年)の作品(携帯世代には通用しない曲になるのかなぁ)。アルバム的には、やはり2枚組の大作「アウト・オブ・ブルー」(77年)と抜群の完成度を誇った「ディスカバリー」(79年)の2枚がお気に入り。その直後の、全盛期を極めていたときに発表されたのが今回取り上げた「ザナドゥ」だった。

 この作品「ザナドゥ」のELO面で言えば、前作で一段とエレクトロサウンドを推し進めた、その延長線上に位置する作品だが、アルバムの中から1・4・5曲目がヒット、特にオリビアがヴォーカルをとったタイトル曲が素晴らしい。しかし、コラボレートした両者が乗っていた時期ではあるが、ELOのフル・アルバムとして聴きたかった。後半もオープニングの「マジック」が4週連続ナンバー1に輝いた大ヒット曲(ヒット曲がオン・パレードのアルバム)。ただ、私はこの映画観てないんです、なんと無責任な!と言われてしまうんでしょうが、だからアルバムとしては何か半端な感じ。オリビアの当時持っていた清純派のイメージにも、あまり魅力を感じないし…(「フィジカル」以降もそうだけど)。私が好きな女性のタイプはボヘミアンなのです。ゴダールの出世作「勝手にしやがれ」のジーン・セバーグ、アメリカン・ニューシネマの名作「俺達に明日はない」のフェイ・ダナウェイ、冒頭文で書き出したデカプリオ絡みで言えば、彼が知恵遅れ役を好演した「ギルバート・グレイプ」で、ジョニー・デップと恋に落ちるジュリエット・ルイスとか…。なんか書いていて、頭の中が映画モードになってしまい意味不明になったので強制終了します。どうもすみません、スズキさん、またオアシスのホーム・ページを汚してしまいました(毎度のことだが…)。

 
(1ヶ月も経ってしまったので)気を取り直して…

 アナログ・レコードを買っていた時代には、アルバム・ジャケットでレコードを買ってしまう『ジャケ買い』なる買い方があった。

 私が大学時代に所属していた、マニアックな人たちが集まっていたサークルで、機関紙(XANADUと書いてキサナドゥと読む、ザナドゥと読まないのは復活したディスコと同じ)で、人気ジャケット・ランキングなる企画をしたことがあった。そのとき1位に輝いた作品を今度は紹介しようと思う。その作品とはドナルド・フェイゲンの「ナイトフライ」(82年)。

 ご存知、スティーリー・ダンの半分(1/3)?

 このバンド、デビュー当初はジャズ好きなメンバーが集まって作られたバンドだけあって、ジャズ・テイストをふんだんに盛り込んだウエスト・コーストのロック・バンドであった。72年に発売された「キャント・バイ・ア・スリル」が個人的には実は一番好き。ただ、スティーリー・ダンの名声が確立されたのは、フェイゲンの相方、ウォルター・ベッカー+プロデューサーのゲイリー・カッツ、三人の音作りになった「幻想の摩天楼」(76年)から「彩」(77年)、「ガウチョ」(80年)と続けての間。そしてこの三人は、何の声明も出さず、プロジェクト・チームでの活動を休止するのだが、その延長戦とも言うべき作品がドナルド・フェイゲンのソロ・ワークから発表された。「ナイトフライ」である。モノトーンなDJ姿のジャケットがかっこ良過ぎる!そしてオープニングの「IGY」。大人の渋い世界が広がっていく。これぞ、正にバーでのBGMになる音、とかってに思い込んでしまう。ボズ・スキャッグスのダンディズムも好きだが、フェイゲンの気障さも捨てがたい。参加ミュージシャンも、ジェフ・ポーカロ、マイケル・ブレッカー、ラリー・カールトン、マーカス・ミラー、などなど…。フェイゲンの職人的な音作りを手伝っている。

 まっ、オアシスのカウンターに、素敵な女性がいたときには、このドナルド・フェイゲンをリクエストして口説いてみたらどうでしょう?後は鈴木さん・佐藤さんに強いお酒をつくって貰って…(スーフリの手口に似てるか)。

 10年程前だったか、スティーリー・ダンの再結成ライブを観に行った。どうもスタジオ・ミュージシャンという先入観もあり、あまり期待はしていなかったが、オープニングの「バビロン・シスター」からノリノリ。アンコールでは(確か「リーリング・イン・ジ・イヤーズ」)アリーナ席みんなでステージに向かって突進していった。10m以上席を移動したコンサートというのは、私が経験したものではボーン・イン・ザ・USAツアーのスプリングスティーン、初来日のストーンズ、あとは何故か、ライオネル・リッチーがいなくなった後のコモドアーズくらいの記憶しかない。

 そしていつものように、最後にもうひと言。11月29日に観に行くエリック・クラプトンには少し不安がある。特段、新譜を発表した訳でもなく、ましてやツアーの最中でもない。そんな状況の中でどこまで真剣勝負をしてくれるのか(オアシスの鈴木氏からはK1でも観に来るんじゃないですか、と冷やかされてしまった)。夏にサッカー、ジーコ・ジャパンとナイジェリアの試合を国立に観に行ったときも同様な不安があったが、的中してしまった。相手は交代メンバーを使い切れない人数で来日し、あきらかに物見遊山的だった(席がすごく良かったのでそれなりに楽しめたが)。なので、とてもダンディなオジサマになってしまったクラプトンよりも、11月14日に行くニール・ヤングの方が、実は期待大である。彼の高いレベルの現役度は、最近何かと比べられるボブ・ディランと双璧であると思う。ヤングはとても感情的なミュージシャンだと思うし、その感情に合わせたように音楽も振幅するので、ファンは大変だと思う。70年代後半には、ロンドンのパンク野郎に過敏に反応し「マイ・マイ・ヘイ・ヘイ」を歌ったり、そもそも若い頃から、仲間達と一緒だった頃から「ミスター・ソウル」にしろ「ヘルプレス」「オハイオ」「サザン・マン」、今回演ってくれるらしい?「ハート・オブ・ゴールド」にしろ…11月14日こそが「今宵その夜」。ヤングは「グリーンデイル」の街から何を持ってきてくれるのだろう。

グランジのオリジネーターは、まだ言うのであろうか…

   錆びて朽ち果てるより、燃え尽きたほうがいい!

2003年10月30日

     

   
ライアー宮崎


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