Oasisお勧めCD(第18回)

音楽にこだわりのある、OasisならではのCD紹介コーナーです。

  
 

年末にオアシスの鈴木氏と話していて、新年はメジャーなところでイーグルスから書き出すことにした。

このグループ、以前から何度か書こうとしていたのだが1枚を選ぶのが難しかった。デビュー・アルバム「ファースト」(72年)はジャクソン・ブラウンとの共作でカリフォルニア・ロックの名曲「テイク・イット・イージー」で始まる好盤だし、3作目の「オン・ザ・ボーダー」(74年)もイーグルス初のbPシングル曲「我が愛の至上」や私の大好きなトム・ウェイツのカバーがあったり、イーグルスで一番好きな曲「テイク・イット・トゥ・ザ・リミット」は4作目の「呪われた夜」だし…。次作は「ホテ・カリ」になる訳だし。

3作目辺りから、バーニー・リードンのカントリー色が薄まり、ハード路線になっていくのだが、多分に途中加入したジョー・ウォルシュの影響なんだろうなぁ。

あえて2作目に触れなかったのは、自分が部屋で一番よく聴いているイーグルスのアルバムは「ならず者」(73年)なので、ここで簡単に載せることにします。

本作は彼等のオリジナルの中では最もヒットせず、シングル曲にも恵まれなかった。JDサウザーやJブラウンとの共作「ドゥーリン・ドルトン」でスタートを切るのだが、4曲目の「テキーラ・サンライズ」は乾いた感じの、いかにもウエスト・コースト・サウンドと言った佳作や、このバンドの最重要曲の一つと言っていい「デスペラード/ならず者」など初期の代表作が目白押しに並んでいる。7曲目にはブルーグラス的なインストで1曲目を焼き直し、彼等の音楽的バック・ボーンがよく判るし(2曲目もそんな感じ)、とってもバンジョーの似合うロック・バンドでもあった。ジャケットでも現していると思うのだが、西部劇に出てくるような、アメリカン・アウトローの美学を伝統的な楽曲スタイルで見事なまでに演じている。60年代後半以降、ロックが多様化し、新しさに価値観が奪われていった時に、このレイド・バックしたようなスタイルで、若い「ならず者」達が野心的に演じた名作であると確信できる。

イーグルスは、再結成ライブを観に行った。あれはあれですごく良かった、と今でも思っている。しかし、私的体験でのイーグルスでは、大学時代にとても印象的なものがある。読売ランドの屋外で、前座に「ペリカンおじさん」ことクリストファー・クロスがいたときのグレン・フライのソロ!ペリカンおじさんが良い意味で、予想を裏切った白熱のライブ・パフォーマンスをしてくれて、テンションが自然と高まってきた時に、Gフライ登場。辺りは、屋外ならではの、夕闇が多摩丘陵を包み込もうとした頃合いを見計らったように、サックスの音色が流れ出した。彼のソロ・キャリアを代表するヒット曲「ユー・ビロング・トゥ・ザ・シティ」、背筋が伸びた瞬間でもあった。

Gフライは、来日直後だったかのインタビューで、イーグルス時代のものは演奏しないと言っていた。ソロとしても旬な時期でもあったし、しょうがないものだ、とあきらめてもいた(内心では「テイク・イット・イージー」を期待していたが)。そして、盛り上がったライブも終盤を過ぎ、アンコールに進んで再びペリカンおじさんを連れてステージに戻ってきた。なんと演ってくれた曲が、あのランディー・マイズナーの高音ヴォーカルが印象的な、私の一番好きな曲!「テイク・イット・トゥ・ザ・リミット」。マジに感動で涙でました。永遠にフェイド・アウトしない時間が、ラストのワン・モア・タイム〜のコーラスを一段と印象的に、多摩の夜空に響きわたっていた。

 

 新年でもあるので新譜を1枚。年末は割と好きなミュージシャンが新作を発表してくれた。マッチボックス20、サンタナ、3ドアズ・ダウン、ボストン、インディア・アリー、更にはディラン先生がブートレッグ・シリーズとして、伝説の「ローリング・サンダー・レビュー」のライブ盤をだしてくれた(有難う!)。

FMファンという雑誌が廃刊(休刊)になり、新譜情報に疎くなってしまい、下手をすると好きなミュージシャンのものでも、平気で3ヶ月遅れの新譜を手に入れることもあるのだが、年明けにタワ・レコをうろついていたら、3年ぶりのトム・ペティを発見しました!半年くらい前のこのコーナーで、自分的には、現役のイメージが有る1番好きなアメリカン・バンドはトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズだと書いたこともあるので、彼等の新作「ザ・ラスト・DJ」も是非オアシスに置いといてもらいたい。

トム・ペティという人の転機は80年代半ばか。当時流行っていたアメリカン・ロックの人たちと同様、熱く語りながら拳を振り上げて扇情的にロックしていた(このジャンル、個人的には大好きなのではあるが)。それが、いつ頃からか薄笑いを浮かべるダウナーなロッカーへと変身してしまった。たぶん、あのユーリズミックスのデイブ・スチュワートと組んだ「サザン・アクセンツ」(85年)がターニング・ポイントだと思う。その後、マイク・キャンベルやベルモント・テンチといった腕達者なメンバー達のセッション活動や、「パック・アップ〜」のライブ盤(86年、これすごく良い)で自らのルーツを見つめ直し一皮むけた。そしてペティは、あのトラベリング・ウィルベリーズへ参加。この頃から、一歩引いたような、薄笑いの似合うロッカーへと変わっていったと思う。今作「ザ・ラスト・DJ」では、フリートウッド・マックのリンジー・バッキンガムが、サントラ「彼女は最高」(96年、エドワード・バーンズ監督作)に続いて参加。ペティとバッキンガムは同じ女(スティービー・ニックス)に振り回されていた過去を持つだけに、最近妙に仲が良いのは何故?と勘ぐるのは私だけなのだろうか。今作でも、奴は女が大好きな男、毎日恋に落ちている〜、と一緒に歌っている。男女を逆にして、青春時代を懐かしんでいるとしか思えない。などと邪な聴き方をしなくても、とても良い作品なので、確かオアシスにはTペティは1枚も無かったはずなので置いといてください(彼の代表作も一緒に…)。

 最後にもう一度、ディランの75年のライブ「ローリング〜」はマジでヤバイ!当時ホットな関係だったジョーン・バエスとのデュエット。結局、ディランもペティも人も羨むロックンロール・スターになったけれど、女にもてたいならば俺達を見習えと言われていたような二人の武道館ライブも良かった(このバーズの「ロックンロール・スター」を演奏したときのペティはかっこ良かったなぁ)。

あと、私の好きな数少ない90年代以降のバンド、アンクル・テュペロから派生したウィルコ(片割れのサン・ヴォルトは何してるの?)とジム・オルークが組んだユニット・バンド「ルース・ファー」もナカナカです、と付け加えときます。

   
ライアー宮崎


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