Oasisお勧めCD(第13回)

音楽にこだわりのある、OasisならではのCD紹介コーナーです。

今回はこのホームページの管理人の10時間に及ぶ力作「オアシス・ベスト」についてまずは
ふれとく。

2月のある日、オアシスで(間々ある事だが)鈴木氏から突然言われてしまった。
「こんな感じで、今までにホームページで紹介したCDの中から作ってほしいんだけど」と
言ってサンプル盤を渡された。
その場でちょっと安易に選曲してしまったので、後日、管理人氏に迷惑をかけてしまった。
なので、言い訳をかねて選曲理由を述べとく。

まずは、店のロゴにも入っているオアシスのタイトル曲「真夜中のオアシス」。
これはオープニングにしようとすぐに決まった。
続いて大好きなデラボニから「ソウルは死なず」。
更にルーツ・ロック系の新旧を並べた感じで3,4,5曲。
それぞれがアメリカ南部出身のバンドらしい音を聴かせてくれる。
ひと休みという感じで、エアプレインのインストナンバー、そして大ヒット曲。
ドミノスの作品を逆にして「庭の木」と「レイラ」。
これには訳があって、次のボズの曲でデュアン・オールマンを代表する横綱級のプレイを
並べたかった為。
こなた、硬軟使い分けたスライドプレイでギターの神様を圧倒。
かなた、かのW・ピケットからスカイドッグと命名された自由奔放なプレイ。
特に後半は、あのマッスル・ショールズ・リズム隊を引き連れ縦横無尽に飛ばしまくる迫力は
すごいの一言。
(この曲をボズは遂に3年位前の来日公演、赤坂ブリッツで演ってくれた!)
この2曲だけで約20分。
つらい人にはゴメンなさい。
11曲目は、ポップなバンドに見られながら、ブルージーな演奏を聴かせてくれるリンジーの作品。
20年位前だったか、懐古主義者?の渋谷陽一と大貫憲章がラジオで
「昔のマックが好きだった」と言いながら、この曲のライブ・ヴァージョンをかけて驚いていたのを
思い出す。
続いてカリフォルニア・ロックの異端と正統。最後は、入れようか迷ったけどディラン先生を2曲。

以上のような事を、何となく流れを感じながら選曲したのだけれども、まずは管理人の労力に
感謝!
しかし、コマーシャルなヒット曲が少ししか無いので、こんなんでいいのかな?と少しだけ反省。

  

今回で13回目のこのコーナー。
この数字に合うバンド、今でこそ変な化粧をしたり、血を吐いたり、火を吹いたりと
オカルト・ジャンルも一部成立しているが、西洋文明圏で忌み嫌われているこの数字に
似合うのは、やはりローリング・ストーンズでしょう。
「ベガーズ・バンケット」でしょう(と、勝手に言ってしまう)。
1曲目の「悪魔の憐れむ歌」といい、当初、発禁された便所ジャケットを開くと現れる悪魔チックな
最後の晩餐といい、恐ろしくてとても良い。
(内容的にはカントリー・ブルースを中心に演っているのだが)。
ビートルズやストーンズのアルバム(まぁ他もそうだけれど)を紹介するという行為自体、
素人にはとても恐ろしい事なのだけど。

という事で、恐ろしいのでアルバムの紹介は控える。その代わり、ある意味最もストーンズらしい
曲「悪魔を憐れむ歌」の歌詞だけ抜粋しときます。
興味のある人、まだ持ってない人、あとは買うべし!
「ベガーズ・バンケット」(68年)を!

     自己紹介します
     私は財産家で贅沢な男です
     私は長いこと生きてきました
     多くの人たちの魂と信仰を奪ってきました
     キリストが苦しみ 神を疑ったとき
     私はそこに居ました
     ロシア革命の時も
     私はぺテルブルグに居ました
     電激戦が激化し 死体が臭気を放ったときも
     私は戦車に乗り 将軍としてそこに居ました
     「誰がケネディ家を殺したのか」と私は叫んだ
     でも殺したのは 人間達とこの私
     初めまして 私の名前をご存知ですね
     もし私に会ったら 手厚く扱ってくれ
     さもなくば お前の魂をぶっ壊すぞ
     教えてくれ 俺の名前は何なんだ!   (歌詞抜粋)

ミック・ジャガーは、この曲を唄うと何かが起きると言っていた。

ロックンロール・サーカスでは、ブライアン・ジョーンズが死にそうな顔でマラカスを振っていた。
変死体で発見され、その追悼コンサートとなったハイド・パークでも唄われた。
オルタモントの悲劇が起きとときも…。
ルシファーは確かにブライアンに降臨したのだろう。

ミックがソロで初めて来日したとき、アンコールのラストでもこの曲は唄われた。でも何も
起きなかった。

私にとって、ストーンズが伝説の彼方へ行ってしまった瞬間だったのかも知れない。
初期のデッカ時代も良いのだろうが、やはりこの頃「メインストリートのならず者」(72年)迄が、
ルーツ系の好きな私の好み。

    
今回はまだ手が動く。
なので勢いに任せてもう1枚書いとく。
アメリカ版ストーンズと言われ、B級スターとして君臨した時代(アトランティク時代)の
J・ガイルズ・バンドを書く。

70年代の彼らはマジでかっこ良い。
EMIに移ってコマーシャルでポップになり、「墜ちた天使」(これはルシファーじゃない)の
大ヒットで苦節10年のスターとして、当時REOスピードワゴンと共にトップバンドに
のし上った彼ら。
でもアトランティック時代はもっと良い。
そんな彼らの勢いをパッケージしたライブ・アルバム「狼からの一撃」(76年)を紹介したい。

初期の名作「ブラッドショット」(73年)や「悪夢とビニール・ジャングル」(74年)も良いが、やはり
彼らの魅力は定評のあるライブ盤で聴いておきたい。
特にこの作品は、彼らの地元ボストンと、黒人音楽を追及する者にとって特別な場所デトロイトで
収録したもの。
個人的にはデトロイトに本拠を置くモータウンはあまり好きでない。
なんか洗礼され、ちょっと洒落た余裕のある黒人文化の象徴的な感じで、ブルースを生んだ
文化の生活感が感じられない。
それに比べてアトランティックやスタックスは体感温度が高い。
所属ミュージシャン達のエナジーが好きだ。
(そうは言っても、オリジナルの黒人達と、それに憧れて演奏する白人達の温度差も大きいの
だろうが)
そんな体温の高いレーベルに属していたJ・ガイルズ・バンドがライバル、モータウンの本拠地で、
ダイアナ・ロスというスーパースターを生んだスプリームズの大ヒット曲「愛はどこへ行ったの」を
このライブ盤で演奏している。
この曲が分かった瞬間の客の盛り上がりがたまらない。
(彼らはのちに、別のライブ盤でレーベルの先輩W・ピケットの「ダンス天国」も演っている)
他にも「ハウスパーティ」や「デトロイト・ブレイクダウン」など、初期の代表曲を活きのよさで
堪能できる。

最後にメンバーについて。
バンド名になっているギターのJ・ガイルズことジェローム・ガイルズ、フロント・マンの
ピーター・ウルフ(あの、女優フェイ・ダナウェイの元夫)のかっこ良さは言うに及ばず、実際の
イニシアチブはキーボードのセス・ジャストマン。
そしてなんと言っても、ご機嫌なハーモニカ吹きマジック・ディックが良い。
(彼はどんどんアフロヘアーが巨大化している様に思った)
そう言えば、最近は素敵なブルース・ハープに出会っていない。
ブルース・トラベラーのジョン・ホッパーくらいか。

やっている本人達、聴きに来るファン、皆がロックンロール・ショーを楽しんでいる。
そして理屈抜きにかっこ良い。
ロックバンドとしての必要十分条件を満たしてくれている時代のライブ盤「狼からの一撃」、
お薦めです。
   
2月にアメリカの大統領が、日本の帰りに中国の書記長に会った時のこと。
書記長が「自分は無神教徒だ」というようなことを言ったらしい。
それに対して、上海の大学で大統領は「アメリカ人の95%は神を信じている」と返したらしい。
神は存在する、というテーゼの宗教学は別にして、ある意味西洋哲学は「神は存在するのか」を
絶えず自問している。
しかし、特定のジャンルにおいて悪魔は確かに存在する。
だから、突然ストーンズの「タイム・イズ・オン・マイ・サイド」が聴こえて来たら用心したほうが
いい。
ロバート・ジョンスンが勝手に売り渡してしまった魂を求めて、今日も悪魔達は彷徨っているの
だから。
そんな時、デンゼル・ワシントンは助けにきてくれない。

さぁ、池袋の地下に潜むロック信者達よ、集会に遅れるな!
今宵もあの場所で「悪魔を憐れむ歌」が大音量でかかっている。
ライアー宮崎


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