Oasisお勧めCD(第12回)

音楽にこだわりのある、OasisならではのCD紹介コーナーです。

エール・ハウスのスケさんはリッキー・リー・ジョーンズが好きである。
彼がまだオアシスにいる頃、このコーナーでも彼女を取り上げないのか?と聞かれたことがある。
何故なら、前にも書いた事だが、私もリッキー・リーのデビュー以来の大ファンを自称していたし、
彼女の曲をリクエストしながら、よくここオアシスで飲んでいるから。
彼女の事がどのくらい好きかというと、日石のCMに出で以来ずっーと好きな中谷美紀と同じくらい
である??
そのくらい好きになると、異性はなかなか他人に紹介しづらくなってしまう?

そんな訳で、リッキー・リー・ジョーンズの新作「ライブ・アット・レッド・ロックス」が発売されても、
このコーナーでは取り上げない。
しかしこのライブ盤はすごく良い。(ファン故か)
ラスト・ナンバーでは、このアルバム唯一のカバー曲がリラックスした中で唄われている。
(彼女は割とカバー好きで、過去2枚のライブ盤でも他人の曲を唄ったり、前作
「イッツ・ライク・ディス」はカバーアルバムだった)
そして今回のライブ盤で唄われているカバーは、彼女自身大ファンだと語っている
ヴァン・モリソンのゼム時代の代表曲「グロリア」(64年)である。
だから今回はヴァン・モリソンを取り上げることにしてみる。
アルバムは名作の誉れ高い「ムーンダンス」。

私は昔からロック・コンサートに行くことが大好きで、最近その情熱が失われつつあるが、
まだ観にいけてないミュージシャンも多数残っている。
その筆頭格がヴァン・モリソンと(旬を逃してしまったが)ボブ・シーガーである。

  

ヴァン・モリソンは1945年、アイルランドのヴェルファスト生まれなので今年57歳。
モナ−クスという地元バンドを母体にゼムを1964年に結成。
その年に前述した「グロリア」というかっこいいヒット曲を生んでいる。
「ヒア・カムズ・ザ・ナイト」「ベイビー・プリーズ・ドント・ゴー」等の代表曲を持ちながら69年に
ソロへ転向している。
そして、翌70年にこの「ムーンダンス」を発表。
オープニングの「ストーン・ミー」から黒っぽいパワフルなヴァン節が炸裂!
更にタイトル・ナンバーではジャズ的なアレンジを加え、レパートリーの幅広い作品に
仕上がっている。
女性コーラスが印象的な「クレイジー・ラブ」、そして名曲「キャラバン」へと続く。

余談だが初めてLDを買ったときに、ソフトとしてジョン・レノンの劇場公開された「イマジン」と、
音楽センスが最高なマーチン・スコセッシが撮った「ラスト・ワルツ」をまず選んだ。
ザ・バンドの解散コンサートである、このドキュメンタリーには二−ル・ヤング、
エリック・クラプトン、ジョニ・ミッチェル、マディ・ウォーターズ、ボブ・ディランなど多数の友人が
出演している。
そんな中で一番かっこいいパフォーマンスを繰り広げていたのが、チビ、デブ、ハゲと
三拍子そろっていたヴァン・モリソンだった。
彼はロビー・ロバートソンのギターの横で、飛ぶように跳ねるようにこの「キャラバン」を
熱唱している。
この曲の迫力は映像でないとなかなか伝わらないと思うし、それ以来、彼のライブ・
パフォーマンスを是非生で観たいと切望するようになった。
慰めではないが、91年にヴァン・モリソン唯一のライブ映像がある。
(もちろんすぐ買ってしまったが)
盟友ジョージー・フェイムとのコラボレイションも見事だが、終盤にはギャングの
親玉のようにジョン・リー・フッカーが出てきて「ブーン・ブーン」を一緒に演ってくれる。
ヴァン・モリソン、いつか観れる日が訪れるのだろうか。

    
さてもう一枚、旬を逃したと書いたボブ・シーガーである。
彼も1945年生まれなので、ヴァン・モリソンと同じ57歳になる。

ミッチ・ライダーをアイドルに持つデトロイト・ロッカーで、熊のような風貌が良くないのか日本で
全くといって人気のない、典型的なビッグ・ネームである。
イーグルスのグレン・フライなどは、最も尊敬するミュージシャンとして彼の名前を挙げている。
個人的にも、きらびやかでテクニックやキャラクターで勝負するブリティシュ・ロッカーより、
朴訥としたストレートなアメリカン・ロッカーが好きで、身びいき的に言わせてもらえば
ボブ・シーガーこそ、20世紀最高のロック・ヴォーカリストだと断言したい。

彼のキャリアの中で1枚取り出すのなら、最大のヒット作「奔馬の如く」(80年)なのだろうが、
敢えてその前作「見知らぬ街」(78年)をオアシスに置いてもらいたい。
この作品から4枚のヒット・シングルを生み、アルバムも当然プラチナ売上をマークした。
疾走感が最高の「夜のハリウッド」、ストーンズの「イッツ・オンリー・ロックンロール」張りに
ファンキーな「オールド・タイム・ロックンロール」、83年にケ二−・ロジャースと
シーナ・イーストンがデュエットしてヒットもさせた「愛・ひととき」、大ヒット・シングルにも
なった「裏切りのゲーム」、名曲揃いの一枚である。

彼の唄を通してアメリカの片田舎を見ていた時期もあった。
彼の唄には、コッポラ監督の青春映画「アメリカン・グラフィティ」と重なる郷愁感があり、
それがアメリカで絶大に支持されている点でもあろう。
そして融通の利かない頑固一徹おやじ的なところも…。


    俺は古いロックンロールが好きなんだ
    俺の魂を癒してくれる
    俺を過去の遺物と呼ぼうが
    時代遅れと呼ぼうが
    下り坂と呼ぼうが
    俺の魂を癒してくれる古いロックンロールが好きなんだ


先ほど書いたように「見知らぬ街」の次作でボブ・シーガーは「奔馬の如く」を発表。
タイトル曲「アゲインスト・ザ・ウィンドウ」で、今だに私は彼のイメージが決定づけられた
ままである。
彼は逆境になっても、揺るがない信念を持って直立不動で立っている。
そして、いつも強い向かい風が吹いている。
彼の向かう道のりは果てしなく遠い(「ザ・ディスタンス」83年)。
しかし、信念は岩のように揺らがない。(「ライク・ア・ロック」86年)。
内なる炎を燃やしながら。(「ファイアー・インサイド」91年)
いずれのアルバムもトップ10に入るヒットアルバムとなっている。

当然ながら、彼も素晴らしいライブ・アルバムを2枚残している。
彼の人気に火を点けた「ライブ・ブレット」(76年)、そして「嵐の呼ぶ声」(81年)。
前者のアルバムにはヴァン・モリソンのカバーも有り、初期の代表曲
「ランブリン・ギャンブリン・マン」や「カマンドゥ」が収められており、後者のアルバムでは、
まさにヒット曲のオン・パレード。
ともにラスト・ナンバーとなっている「レット・イット・ロック」で彼の熱いロック・スピリッツに、
是非触れてほしいものである。
オアシスにもどちらか置いといてほしいな…。

最後に、幾つか行ったライブを思い出している。
リッキー・リーでは五反田で観たロブ・ワッサーマン(べーシストで、彼のソロにも
リッキー・リーは出ている。特に「トリオ」はお薦め)との二人だけのアンプラグドが
印象的だった。
ラスト・ワルツで感動的に解散したはずのザ・バンドも渋谷のクアトロで観た。
口の悪い友人からは、ロビー・ロバートソンのいないザ・バンドなんて、桑田のいない
サザンみたいなモンだろう、と言われたがレヴォン・へルムの「ザ・ウエイト」は
やっぱ最高だった。
去年では、乗り気じゃなかったけどタダだからと言うことで行った、渋谷のホテル街の
小さなホールで観たレ二ー・クラビッツのシークレット・ライブが収穫だった。

そう言えばニール・ヤングが少し前に出したライブ・アルバムも、冒頭リッキー・リーと同じ
レッド・ロックスでのものだった。(これはLDで観てるものだが)
元祖ノイズ系の「風に吹かれて」のカバーは何度観ても圧巻である!
   
ライアー宮崎


Copyright(C)2000-2002 Cafe & Pop Bar Oasis.