Oasisお勧めCD(第8回)

音楽にこだわりのある、OasisならではのCD紹介コーナーです。

オアシスに2号店が出来る。
今の場所より約1分ほど離れたところに、ブリティシュ・パブをイメージした店をつくるという。
店でかかる音楽も少しばかり硬派(?)になるかもしれない。
70〜80年代中心のウエストコースト系に強いオアシスに対して、新店エール・ハウスは
60年代のブルース・ロック系を少し増やしていこうか、なんて考えているらしい。

そこで今回はブルース・ミュージックについて少々。真面目に書き出すと2000文字程度では
とても終わらないので、少しだけ抽出して大雑把にいこうと思う。
私が黒人音楽やブルース・ミュージックに最初に興味を持ったのは、何を隠そう映画
「ブルース・ブラザーズ」から。(すみません、そんなんでウンチク語っちゃて)

  
コメディアン・コンビ、ジョン・ベル−シとダン・エイクロイドが、アメリカのアバンギャルドな
娯楽番組「サタデーナイト・ライブ」で結成したのがバンドとしてのスタート。
なんでも切りつけてしまうジョン・ベル−シの侍役はメチャクチャだったが、音楽のほうは
マジだった。
バンドメンバーも、スタックスの強者を中心に集められたプロ集団。
映画のほうも、そのバンドマン達のコールに快諾した出演者も、正に本物の
ミュージシャン達だった。
ブギ−・ブルースの王者「ジョン・リー・フッカー」(今年故人になってしまった)、ソウル・クイーン
「アリサ・フランクリン」、黒人エンターテイナーの草分け「キャブ・キャロウェイ」、
ゲロンパ・セックスマシーン「ジェイムズ・ブラウン」等等。そしてこの映画をきっかけに、私は
シカゴから南へ降ってミシシッピ−の河口を目指す、のんびり音楽紀行を始めていった。

簡単に言ってしまえば、そもそも50年代半ば、キング・エルビスの登場によってロック、
ポップ、ソウル・ミュージックは統一された。
そして60年代、音響機材の進歩とビートルズの出現によってビッグ・バンが起こり
ロック・ミュージックは革新的に進化し多様化した。

エルビス以前と言う事になると、カントリーやブルーグラスといった白人音楽と、ゴスペルや
ブルースなどの黒人音楽とでは、全く別物として扱われていた。
ただ、エルビス以降のロック・ミュージックに与えた影響という点では、黒いDNAの方が
より強く今日に遺伝している。
そして、この濃縮されたDNAの元を探っていくと、ある一つの源泉にたどり着くことが出来る。
ここからタレ落ちた水滴が、その後のロック音楽に計り知れない影響を与えた。
その源泉の名前こそ、伝説のブルースマン「ロバート・ジョンスン」である。

レコード・コレクターだったローリング・ストーンズのブライアン・ジョーンズは、
ロバート・ジョンスンのレコードを持っているという事で、メンバーから一目置かれていた。
そしてストーンズは、自らのルーツを見つめ直す旅(「ベガ−ズ・バンケット」〜
「メインストリートのならず者」)での時期に、彼の「ラブ・イン・ベイン」をカバーしている。
エリック・クラプトンも、ブルース・ロックを追究していたクリーム時代に、彼の「クロスロード」を
演っている。前にこのコーナーで書いた、私の大好きなデラニー・アンド・ボニ−も、
彼の「台所に入ってきなよ」をカバーしている。

彼が1930年代に、この世に残した29曲が、エルモア・ジェイムスやハウリン・ウルフといった
人たちを経て、60年代のロック革命期に劇薬となって運ばれた。

謎の多い伝説のブルースマン、ロバート・ジョンスンはその分だけ逸話も多い。
白内障で片目が見えず、そのコンプレックスから、旅先ではよく人妻に手を出す
トラブル・メーカーとしても有名だったらしく、結局1938年、その事が原因でわずか
27歳で毒殺されてしまったという。
彼の逸話でもっとも有名なものは、「クロスロードで悪魔と取引をして、魂を渡す
代わりにブルースの精神を手に入れた」というもの。

何年か前に、青山のブルーノートでブルース・ブラザーズのライブを見に行った
事がある(ヴォーカルは「ノック・オン・ウッドのヒットで有名なエディ・フロイド」)。
彼らのテーマ曲、オーティス・レディングの「お前をはなさない」で始まり、最後は
「スウィート・ホーム・シカゴ」で締めた。この曲は、映画でも終盤のクライマックスで使われ、
彼らは熱演している。
ロバート・ジョンスンのナンバーとして有名なこの曲にも、彼の悪魔と取引して掴んだ
DNAが多分に含まれている。
このDNAを体内に持ち、今だ現役なのは、1970年頃、ヤク中になりながら
九死に一生を得たクラプトンくらいか。
ジョン・ベル−シもこの映画の成功の後、程なくして死んでいる。

ライアー宮崎


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