Oasisお勧めCD(第4回) |
音楽にこだわりのある、OasisならではのCD紹介コーナーです。
第4回目の今回は、2人の男性ミュージシャンのデビューアルバムにスポットを当てて見たいと
思います。
一人はシスコの伊達男、ボズ・スキャッグス。
もう一人はロスのアウトロー、トム・ ウェイツ。
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まずはボズ。 彼は70年代半ば以降、お洒落でダンディな男の代名詞的存在でしたが、元々は ハイスクール時代からの旧友、スティーブ・ミラーとブルースバンドを組み、デビューアルバム 「未来の子供達」と「セイラー」の2枚のアルバムに参加。 ブルースとサイケデリックな、ちょっと半端なアルバムを発表しました。 その後、ヨーロッパに渡り、インディ・レーベルから一枚アルバムを製作後、アメリカに 戻りソロ・デビューしました。 レコーディングの場所は、当時ブルース系の注目を浴びていた、アラバマ州マッスルショールズの スタジオ。 作品名は「ボズ・スキャッグス」をアトランティク!から発売。 有名なハウス・ミュージシャン達が多数参加しましたが、中でも全編にスライドやドブロで 参加したデュアン・オールマンの好演が目につきます。 彼のセッション時代の最高傑作!とまで言われている「ローン・ミー・ア・ダイム」では、 ジャム・セッションのように盛り上がる後半パートは興奮モノです。 オープニングの「アイム・イージー」もいいし、何よりLPでは見開きジャケットがいいんです。 ボズはその後、「スロー・ダンサー」という作品でブルー・アイド・ソウルの第1人者となり、 更に「シルク・ディグリーズ」によりAORというジャンルを確立、その名をロック史に残しました。 最近では、97年に「カム・オン・ホーム」でブルースに回帰したような好盤を出していますし、 その時の来日公演も素晴らしいブルース・フィーリングをみせてくれました。 |
今月もう1枚紹介します。 | ||
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さて続いて、個性派トム・ウェイツ。1973年に新興勢力アサイラム・レーベルから デビュー・アルバム「クロージング・タイム」を発売。 同じレーベルの先輩格、イーグルスがこの作品のオープニング・ナンバー「オール55」を カバーしてくれたものの、ウェイツは、彼らのアルバムはターン・テーブルの埃よけくらいにはなる、 と突っ張ったことを言ったりします。 このアルバムは、全曲トムの書き下ろし作品で、彼がミドルティーンから働いていた夜の ピッザハウスでの、早熟した出来事に基づいた物語が中心となっています。 「恋におそれて」「ミッドナイト・ララバイ」、ロマンチックな「グレープフルーツ・ムーン」。 若き日のウェイツワールドが堪能できる作品です。 その後もしばらく、アサイラムからアルバムを発表し続け、78年の「ブルー・バレンタイン」では 当時の恋人、デビュー前のリッキー・リー・ジョーンズと一緒にジャケット写真に収まったりもして います。 80年代に入る頃からF・コッポラやJ・ジャームッシュの映画に協力し、自らも、 「ビッグ・タイム」という作品を出したり、映像の世界に興味を持ったりしたようですが、 「レイン・ドッグス」以来の意欲作ではないかという「ミュール・バリエイションズ」を99年に発売。 今年に入っても、ジョン・ハモンドというブルースシンガーの新作をプロデュース (全曲ウェイツのカバーナンバー!)したりと、精力的に活動しています。 静かな時間にオアシスにいるときは、アメリカを代表する2人の作品を是非聞いてみてください。 私がいるときは、ハード・ローテーションになっています。 |
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ライアー宮崎 | ||
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